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2022-02-02

【シアテルスタッフがおすすめ】勝手にうなった愛する映画たち #4 ペリーヌ物語

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今回は映画ではないのですが、ある一定層の年代にはご存じ「世界名作劇場」のひとつ『ペリーヌ物語』です!!

「赤毛のアン」「アルプスの少女ハイジ」「フランダースの犬」「小公女セーラ」などが有名ですが、わたしの中では断トツ『ペリーヌ物語』が1位です。 といっても、当時の幼き自分は他の作品に比べて主人公のお顔がやや地味だったりとぼんやりとした記憶しかなく結果見逃していたのですが、大人になってからなにかで読んだ時、世界名作劇場の一番の傑作は実のところ「ペリーヌ物語」と知り見始めたのですが、物語として素晴らしいのはもちろん19世紀末ヨーロッパの歴史的背景をたくさん知ることが出来ました。

全53話と世界名作劇場の中でも最も多い話数となっていて、前半は母と子ふたりの旅と、後半のおじいさんの工場に着いてからの話とで大きく2つに分かれています。

物語は、父親が亡くなりフランスにいる祖父を頼りに母親とロバのパリカールが引く馬車と犬のバロンと一緒にボスニアを出発するところから始まります。

ボスニア→クロアチア→イタリア→スイス→フランス

と旅をするのですが、13歳の少女ペリーヌと母親が馬車と徒歩で旅するには過酷すぎません?世界地図でルートを調べてしまいました。

道中いじわるな大人に騙されたり、狼に追いかけられたり、そんな中でも親切な人との出会いもあり、絶望と希望を繰り返しながら、どんな時でも明るく聡明なペリーヌ親子はなんとか旅を続け、死にもの狂いでアルプス山脈を越えついにフランス、パリへたどり着くのです。

パリに着いてひと段落するのかなと思いきや、ペリーヌの身に更なる悲劇が起こり...というのが前半。

ペリーヌ_2.jpg

後半はおじいさんのいるマロクールにここでもなんとか辿り着き、おじいさんと対面して遂にペリーヌに幸せが訪れるのかなと思ったのですが、なんとおじいさんという人はフランスでも有数な紡績工場の経営者で実は息子とは絶縁状態、特にペリーヌの母親のことを憎んでいることを知り、ペリーヌは偽名を使って一番下っ端のトロッコ推しとして働くことにしたのです。

この<工場編>は登場人物も増え、様々な人間模様、当時のフランス大工場の労働環境や社会的背景も見え隠れし、物語としてぐっと面白くなります。

そして!!!最後は涙涙のシーンがあるのですが、これがとても粋。見た人ならお分かりの弁護士フィリップ先生のあの場面。 アニメ 粋なシーンベスト100があったら間違いなくベスト5位以内には入る名セリフです。

これは50何話とペリーヌ親子の旅を見守り、工場で働き始めてからのひたむきな努力と何事にも決して臆することのないペリーヌにいつかいつかと幸せを願ってきた視聴者へのご褒美でもあるんじゃないかとわたしは思っています。ありがとう!この作品を世に出してくれた色んな方々。

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